やっと連勤が終わったよ



わたしの隣でアルバイト先の店長が急に壁を拳で数回殴打しながら怒鳴るので、昨晩はとても落ち込んだ。

そもそも週末は精神的に安定していなかったから、その怒鳴り声がわたしに向けられたものでなくても十分なトドメになった。男の人が怒鳴ってるの聞いたの3回目。


それでも今日昼まで眠ったら少しスッキリした。ところで睡眠欲と性欲と食欲は比例するな、とおもった。


先週末は、およそ2時間ほどの睡眠を始発の車内か、ビジネスホテルで繰り返した。
夜の時間帯に働いているアルバイト先の社長が出前をとる、というので腹ぺこだったわたしはヘロヘロな身体を起こし社長の部屋へと出向いた。
お腹だけはちゃんとすいていて、一応生命力があることを感じた。


その日は結局明け方まで解放されず、挙句ほとんどの会話の内容が下ネタだったので愛想笑いのせいで頬の筋肉がなんとか上がっても、不自然になった。
その頃にはもう十分、疲弊していたからストレスですぐに眠ろうとする力も失っていた。

近くのラブホテルで一緒にねむってくれるなら家まで車で送り届ける、という誘いも強めに断り、メイクも落とさずにアルバイト先の社宅で香水の匂いが染み付いたコタツの中に身体をもぐらせ、座椅子を枕にしてねむった。


長い髪の毛が床に落ちているのをみて、髪を伸ばそうかななんておもっていたらアラームがなって始発で帰った。


駅までの道のりは小学生が区域別で集合し、黄色の旗を持った近所のおじいさんやおばあさんに見守られながら登校していて、それに目をやりながら歩いた。わたしはあの集団登下校が嫌いで仕方がなかったことを思い出した。

電車に乗っていると前に座っていた大学生らしき男の子と何度も目が合って、「そんなに酷い顔してるのかな」と不安になったけど、帰るだけの状態でメイクも服も髪も気にしてられない。

翌日、京都のライブハウスまで片道3時間かけて出勤した。
事務所にタイムカードを切りに行くと、先に仕事に入っていたPAさんが昼食をとっていた。タイムテーブルに目を通し、トイレ掃除をすませて、照明卓の動作確認を念入りにした。
あまりに照明卓を念入りに触るので「何かおかしいことあった?」とスタッフが心配そうに尋ねてきたけれど、「久しぶりに仕事が出来てうれしい」、なんてダサいかもなとおもって言えなかった。


「ライブハウスで働いてる人なんてみんな社会不適合者やんか、でもむ世さん、わざわざ給料がマイナスになってまでここに来るの大変やな〜」、と外部のスタッフがわたしに言ったのをきいて、ライブハウスの店長が「うちのハコには不適合者なんかおらへんわ、む世さんはここが違うんだよ」と自身の胸をトンと叩いて「ね」、とわたしに笑いかけてくれたことが頭をよぎった。
わたしからしたらたまにしか来れないこの仕事も、大変な仕事ではなくて生きる術なのだ、今のところ。




当たり前に終電は逃したけれど、すごく楽しくて満足した気持ちでJRまで歩いた。電車まで30分くらいホームで待った。それならどこかで煙草を吸えばよかったな〜と後悔した。



今夜はどこに泊まろうかな、と呑気に考えながらとりあえず電車に乗り込んだ。
止まる駅ごとに友達の顔を思い出しながら連絡するか迷ったけど、今回は誰にも連絡しなかった。
頼めばみんな泊めてくれただろうからなんとなく辞めた。
わたしが頼まなくてもツイッターとかラインなんかで声をかけてくれる友達がいて、生かされてるなあ、なんて幸せに浸った。


その日は結局昼間もたべたラーメンをたべてそのすぐ前にあったカラオケ店に入り、適当に仮眠して始発に乗った。


そして、その足でアルバイトにいくと、例の店長の怒号が飛び交っていた。
それに合わせて、私はその日いちばん仲良くしている社員の男の子にもいろいろと迷惑をかけてしまったところだったので余計に落ち込んでしまい、帰り道は乗ってきた自転車を押して暗くなった帰路をゆっくり帰った。



今朝、社員の男の子がわたしに対して「悪いのはおかださんじゃなくて、僕のミスだった」と言っていたとか、店長が「ちかくで怒鳴ったこと謝りたい」と言っていたことを人づてに聞いて、いくらか心がやさしくなったけど、それでもやっぱり迷惑をかけたり、怒鳴り声を聞いただけで落ち込むポンコツなのは私だけだったようなかんじがする。



そういえば、この激動の週末中に人生で初めての金縛りにもあった。
幽霊が乗っていたり、誰かの足音や声が聞こえたのではなくて、ビニール袋が擦れる音が移動していたり、鼓膜をぶち破るような耳鳴りが起こったりしたことが想像とはかけ離れていたけど、ほんとうに身体は動かなかった。

ちょっと珍しい体験ができて、それだけは良かったかなあなんて思った。どうせなら幽体離脱がしたかったなあ。




























m世

くそをくそで洗い流す

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